旅行まとめ

旅行に行った時の話をまとめていきます。最近はあまり旅行に行けていないので雑記も書いています。

定食屋さんのラーメンセットが美味しすぎて感動した食レポ

 こんにちは。お久しぶりです。

 今回はお昼ご飯に食べた定食屋さんのラーメンセットがあまりにも美味しすぎて感動したため、勢いで食レポを書きました。ぜひお付き合いください。

 

 さて、早速ですが私が今回感動した定食屋さんとそのメニューがこちら。

 

 北海道旭川市 さとう家

 みそラーメンとミニチャーハンセット

 一食1000円

 

   地元では有名なお店みたいなのですが、本当に美味しすぎて感動しました。

 

 何に感動したか。なんといっても家庭料理の持つ素朴さと外食ならではの味のバランスが絶妙なのです。(注:私は家庭料理が大好きなのでここでの「家庭料理」とは全て褒め言葉です。)

 

 立地はメインストリートから一本入った住宅街の中に民家と並んで建っています。外観も店舗は民家の一階部分になっているためうっかり通り過ぎてしまいそうな素朴さです。

 内装は「北の国から」に出てきそうな昭和の雰囲気を残す昔ながらの古き良き内装。盛り付けも家庭料理に近く、なんだか実家を思い出します。味は塩分を感じさせず、家庭で使っている調味料を使っていそうな優しい雰囲気がありますがここはしっかりと外食のクオリティ。家庭では出せない味わい深さがありました。
 
 頼んだのはみそラーメンとミニチャーハンのセットでしたがこのチャーハンは全くミニではありません。

 写真だと分かりづらいですが、一般的なお店なら単品として大皿で提供されるべき量のチャーハンがミニサイズの器に盛られています。もしこの量がミニサイズならここのお店のチャーハンは相当なボリュームでしょう。
 お米は程よく水分が残っており、家庭料理のような身近さを残しつつも味はピリッとスパイスの効いた外食に求めるチャーハンの味。味の染みた小さくてコロコロのお肉がなんとも美味しい。

 ガツガツとかき込み、時には胸を詰まらせながら食べたのですが、この詰まった感じもまた美味しいのです。喉を通すために飲んだ水とこのチャーハンだけで十分に一食として成り立っていました。

 

 チャーハンだけでもメイン並のボリュームとクオリティで大満足だったのですが、はちゃめちゃに感動したのがこのラーメンです。
 チャーハンがボリューミーで食べ切れるか不安でしたがなんてことはなく、このラーメンの脂っこくはないのに濃厚なスープが既に腹八分目を超えていたとしても食欲を無限にそそってきます。

 見た目があっさりしているので家庭料理のようにツルッと食べられそうな雰囲気を醸し出していますがそのスープにはしっかりと深いコクがあります。麺は柔らかめのちぢれ麺なのですがあっさりしていてこれがスープによく絡むのです。
 チャーシューは2枚入っており、こちらは肉本来の味わいに近い素朴で硬めのチャーシュー。単体で食べても美味しいのですが、濃厚なみそ味のスープと一緒に食べると旨みが浸透し目を見張るほど、いや味蕾が震えるほど化けます。断言してもいいでしょう。このチャーシューはスープのために存在しています。

 そして何よりも私が1番感動したのはもやしです。
 ラーメン屋さんのもやしといえばシャキシャキのものが多いのですがこちらのもやしは歯ごたえを残しつつもしっかり茹でられています。この茹でられたもやしにまたスープが染み込んでいて噛めば噛むほど旨味が溢れてきて美味しいのです。
 私はしっかりと火を通した野菜が大好きなので、このもやしはとてつもなくタイプのもやしです。好みドストライクです。食後もあの火の通ったシャキィ…とした食感と染み込んだスープの旨みを反芻して幸せな気持ちになっていました。

 

 家庭料理のような身近さ、温かさ、懐かしさを持ちつつも味はしっかりと家庭では出せない外食のクオリティでボリュームも満足。値段もこちらのみそラーメンとチャーハンのセットは1000円とお財布にも優しい。
 誰かの手料理を食べたい気分になった時、ここに来ればほっとした気持ちで食事が出来るでしょう。また近々他のメニューを開拓しに訪れたいなと思います。

 素晴らしい外食体験ができ、お腹も心も大満足のお昼でした。

 

余談①

   同行者からカツカレーをお裾分けしてもらいました。

 こちらも家庭料理で馴染み深いとろっとしたタイプのカレーなのですが、やはり奥深さのある味で今まで食べたカレーの中でトップに躍り出るくらい美味しいカレーでした。

 

余談②

  お会計後、サービスの飴をいただきました。甘い系の飴とコーヒーや塩味といった大人の飴と2種類分けて用意されており、甘い飴があまり得意ではない私にとって嬉しいラインナップでした。 

 

「ブログを書く理由」について考えてみた

 きっかけは人生初めての友人とのヨーロッパ旅行の備忘録のためでした。

 何のきっかけかというと、ブログを始めたきっかけです。

 

 今回は「わたしがブログを書く理由」というお題について、私も今までに書いた記事を振り返りながらブログを書く理由を考えてみたいと思います。 

 

 さて、私がブログを書いたきっかけは友人との旅行の備忘録のためでした。とはいえ、私自身が最初から「この旅行をブログに書こう!」と思っていたわけではありません。

 行きの飛行機の中のことです。これから始まる旅行にただ胸を躍らせていた私の隣で友人が小さめのスケッチブックに何やら書きつけていました。それは、体験したことのイラスト付きのメモでした。その様子を見て私ははっとしました。

 決して安くはない費用を払い、憧れの国に10日間滞在するのです。1日1日の体験したことや学んだこと、交わした会話もそのままにして忘れてしまうのは勿体ない。私もこの旅行について記録を残そう!そう思い、私もスマホのメモに日記をつけることにしたのです。

 帰国後、友人とお互いの今回の旅行の記録を何かに残したいねという話になりました。同じ体験をしていても思ったこと、感じたことはそれぞれ違います。お互いに相手が今回の旅行で何を考えていたのかを知りたいと思っていました。

 Twitter(現X)での情報は文字数が限られているため断片的で、書けば書くほど記録も流れて行ってしまいます。LINEでは相手の反応を求める形になってしまい、お互い息苦しさがあります。そこで、ブログでした。

 自分のペースで自分の体験を整理し、書きたいことを存分に書ける。そして相手も相手のペースでそれを知ることが出来る。相手一人に向けて書いているわけではないので何かしら反応をしないといけないという圧迫感もない。

 ブログはまさに私たちの思い出の共有方法としてうってつけでした。

 旅行帰りの成田空港からの特急の中では旅行の余韻とブログを書こうというわくわくした気持ちでスマホを触っていたのを覚えています。どのサイトを使ってブログを作るのが良いかと検索サイトで調べ、初心者でも気軽に始めやすそうという事で開設したのがこのはてなブログでした。

 冒頭で私がブログを書く理由は備忘録のためと述べました。この備忘録の根幹にあったのは「友人と気軽に思い出を共有したい」という思いです。これが私の最初のブログを書く理由でした。

 

 さて、元々友人との旅行を記録するために書いたブログです。時々更新頻度を下げながらもなんとか楽しかった旅行の記録は全て残し終えました。また旅行に行くことがあれば何かしら投稿したいなと思いつつもそれからしばらくはブログを放置していました。

 

 次にブログを書きたいと思ったのは偶然開催されていることを知った「私〇〇部でした」のお題です。

 月日は流れて私はもう学生ではなくなっていました。年齢を重ねていく毎に学生時代がどんどん遠くなっていき、思い出も記憶からちょこちょこ抜け落ちていっているのを実感し、寂しく思っていました。

 そんな中、見つけた部活についてのお題。私にとって高校時に所属していた部活の思い出はかけがえのないものであり、このお題について記事を書きたいという気持ちが湧きあがりました。このまま積み重なっていく時間と記憶の中で大切な思い出を風化させたくない、そんな想いがありました。

 思い出を忘れたくないだけなら自分用に日記を書けばいいのではないかと考える方もいらっしゃると思いますが、思い出を整理して言語化するのは中々の時間と労力がいるものです。私は怠惰な人間なので自分1人の満足のためと考えるとそれなら覚えているだけでいいかな、写真を見るだけでいいかな、その時間でもっと違うことをしたいなと書かない理由を考え、書くまでは至りません。

 しかし、ブログであれば書きたいという気持ちになりました。何故でしょうか。

 まず、ブログは自分だけの文章ではありません。「自分の記事を誰かが読んでくれるかもしれない、あわよくば内容を魅力的に感じて何かしら反応をくれるかもしれない」という淡い期待を抱かせてくれます。自分にとって大切な部活の思い出を誰かに知ってもらい、「楽しそうだな」「素敵だな」と思ってもらいたいという欲求がありました。

 さらに、「今週のお題」は毎週みんなで同じテーマの記事を書いて楽しめる企画です。先述した想いからも、折角書いたのであれば沢山の人とは言わなくても読んでくれる人がいて欲しいなと思います。気合を入れて書いた記事が誰にも読まれずに埋もれていくのはやはり悲しいものです。

 「今週のお題」ですので書きたいと思ったこの瞬間に書かないと次の週には旬の話題ではなくなってしまい、読んでもらえる機会が少なくなってしまいます。今この時に書かない理由はありませんでした。

 まとめると2つ目のトピックについてブログを書きたいと思った理由、それは備忘録の他に「誰かに自分の体験を知ってもらい、魅力的に感じてもらいたかったから」でした。

 

 「今週のお題」の存在を知り、雑記も時々書いていけたらいいなとそれ以降は思っていたのですが先述した通り私は怠惰な人間です。それから特に何も投稿することなくまた数か月ブログを放置しました。 

 

 また書きたいという気持ちにさせてくれたのは北海道の上川町への旅行でした。

 自分にとって初めての体験と学びが多く非常に刺激を受け、帰り道で「これはもうブログを書かなきゃ!」という決意を固めました。その後の帰路は何を書こうかと考えることで頭がいっぱいでした。

 この時は備忘録はもちろん「自分が体験したこと、学んだことを通して感じた地域の魅力を発信したい」という気持ちがありました。お行儀の良い言い方をしましたが根底にあったのは「自分の思い出話を自分の気が済むまで誰かに聞いて欲しい」という欲求です。 

 

 私は元々、よく喋るタイプでした。人と話すと喋りたいことが後から後から出てきてガンガン喋ってしまい止まらなくなります。いわゆる「マシンガントーク」をする人です。しかし、年齢を重ねるにつれてコミュニケーション能力を高めなくてはと思うようになり、人と会話をする時も自分中心にならないように気を付けるようになりました。

 客観的に見てきちんとコミュニケーションが出来ているかはさておき、気を付けてはいるので自分の言いたいことを最後まで喋らずに飲み込むということもよくあります。しかし、私の「喋りたいことを自分の気が済むまで喋りたい」という欲求がなくなったわけではありません。

 その欲求を満たしてくれるのがブログでした。

 ブログは自分が話したいことを気が済むまで話させてくれます。アクセス数として記事を訪れてくれた人の存在がわかれば、最後まで読んでくれたという事にして「誰かが自分の話を聞いてくれた」という満足感も得られます。

 私のブログの更新頻度は決して高くはありませんし、投稿している記事の数も多くはありません。でも「これを誰かに話したい!」という体験やきっかけがあれば必ずブログを書きたくなります。 

 

 ここまで、自分のこれまでの記事を振り返りながらブログを書く理由についてあれこれ書いてきました。「備忘録兼友人との思い出の共有」という元々のブログの目的を達成した今、私にとっては「自分の話を満足がいくまで誰かに話したい」という欲求が最大の「わたしがブログを書く理由」です。

 この記事も自分が満足するまで書きたいことを詰め込みました。マシンガントークの気質は文章でも健在のため途中で読むのをやめた人もいるでしょう。それでも少しでも私の文章を読んで私の話を聞いてくれた人がいれれば満足ですし、最後まで読んでくれた方がいたならもう大大大大満足です。大がいくらあっても足りません。 

 

 それではお題についての結論も出たことですし、ここで筆を置こうと思います。

 また皆さんにお話ししたいことができた時にブログを通して私のマシンガントークを聞いていただければ幸いです。

 長文・乱文でしたがここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました。

 

氷の祭典、氷瀑まつりに参加してきました。~北海道上川町層雲峡の旅行レポ~

 こんにちは!

 今回は北海道上川町の大雪山の麓にある温泉、層雲峡温泉に行ってきたのでそのことについて思い出を書き残しておきたいと思います。

 丁度、「氷瀑まつり」という氷だらけのお祭りが開催されている時期だったのでしっかり参加してきました。

 層雲峡だけではなく、その周辺で立ち寄った場所についても書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

#1 エゾシカ登場

 今回は層雲峡の温泉街に入る手前にある、朝陽リゾートホテルさんにお世話になりました。

 14時半頃に到着したのですが、駐車場に入ろうとすると、

 

 

 エゾシカです。エゾシカが三頭やってきました。

 

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エゾシカたちのお目当てはホテルの植木のようです。

 

 もの欲し気に上を見上げ、何をするのかと思えば。

 

 

 立ち上がり、ホテルの木を食べ始めました。

 

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 人が近づいても堂々としています。人間なんて慣れっこのようです。

 

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 小鹿なのでしょうか、主に木を食べているのは二頭で小柄なこのシカは唯一食事には参加せず、時々こちらを気にするような素ぶりを見せていました。

 

 お腹がいっぱいになったのか、10分ほどでエゾシカたちは山の方に戻っていきました。来るときはやや駆け足だったのに比べて帰りはのんびりに見えました。

 

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 まだ食べたりなさそうに帰り際に別の木をつまんでいるシカもいますね。

 

 そんな唐突なシカの出現に、改めて人里より自然に近い場所に来たのだと実感してこの旅行は始まるのでした。

 

#2 氷瀑まつり

 今回の旅行のメインは氷瀑まつりです。「氷瀑」とは凍った滝のことであり、滝が凍るほどの極寒を活かした氷の祭典が氷瀑まつりです。

 

 私が層雲峡を訪れた日は生憎の悪天候で、冷たい風と雪が常に吹き付けてくるような厳しい空模様でした。

 折角温泉で温めた身体が一瞬で凍えるほどの-10℃を下回る極寒の中、寒さに負けずに氷瀑祭りに向かいます。

 

 

 会場の入り口ではママさんダンプで雪かきをするクマさんが迎えてくれます。このクマさんは上川町のマスコットキャラクター、かみっきーです。

 

 協力金の500円を支払い、会場に足を踏み入れるとまずは巨大なライトアップされた氷のゲートが観光客を待っています。

 

 

 

 訪れたのは平日でしたが、観光客で賑わっていました。海外からの方が多かった印象です。ゲートすぐ横の写真館では、お兄さんが中国語で陽気に呼び込みをし、笑いを誘っていました。

 

 ここまでで、既に手の感覚がなくなるほどとても寒かったのですが、ゲートの中は風が来ないためか意外と暖かく、のんびりと作品を見ることができました。

 

 大人の身長くらいある巨大なつらら。暖色のライトのおかげで温かみのある印象です。

 

 

 このエリアは以前、結婚式場で行われた「純白の森ナイトミュージアム」というイベントに雰囲気が似ているように感じました。巨大なつららたちが氷の木の幹や枝のように見えます。

 

 頭上のつららたちは豪華なレースの装飾のようです。

 

 参考に純白の森ナイトミュージアムに行った時の写真を載せておきます。

2019年撮影

 後からパンフレットを見て気づいたのですが、このエリアの柱は木をモチーフとしており、自然がもつ温かさ表現しているとのことだったので森や結婚式場といった連想は遠くなかったようです。

 

 

 このエリアの屋上には雪のウサギならぬ氷のウサギがいました。この氷の森の主といったところでしょうか。

 

 吹雪が作った模様のおかげで、表面から見ると少し笑っているように見えました。

 

 会場の中心には川が流れており、屋上からは川を挟んだ会場の様子を見ることが出来ます。

 

 

 

 この石の上に半球状に雪が積もった様子は「雪帽子」というそうです。名前も見た目も可愛らしいですね。

 

 

 温かいゾーンを抜けると、今度はカラフルで巨大な氷のゲートです。横並びのアーチがヨーロッパの大聖堂やお城を彷彿とさせます。

 

 このゾーンにはユニークな氷の彫刻があり、写真を撮る人たちで賑わっていました。

 

 こちらは巨人の足。

 

 迫りくる巨人から逃げろー!

 

 面白彫刻ゾーンを抜けると、次は冷たいゾーンです。先ほどの温かいゾーンと対比になっています。

 

 

 こちらは「氷の湖」という作品です。湖とその周りの木々が凍りついているようです。中央の氷柱は、雪が木の皮のゴツゴツ感を演出しているように感じました。氷の湖も滑ってみたくなるような滑らかさです。

 

 

 冷たいゾーンは会場の一番端にあるため、屋上からは会場のほとんどを見渡せました。上からも美しく見えるように計算されたライトアップです。

 

 上からの眺めを楽しんでいると、花火が始まるというアナウンスが聞こえてきました。氷瀑まつりでは毎日冬花火を開催しており、こちらも今回の楽しみの一つでした。

 生憎の悪天候でしたが協賛の楽天さんが是非決行したいとのことで、無事花火が見られることになりました。楽天さん、本当にありがとうございました!

 

 最初は屋上からでも見えるかなと思っていましたが、やはり正規の観覧場所から見たいということで開始直前に対岸のステージまでダッシュしました。

 幸い距離は遠くなく、無事花火の開始時間に間に合うことができました。

 

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 中々見ることの出来ない吹雪と花火のコントラストです。賑やかで楽しい時間になりました。

 

 花火を見た後は氷の彫刻美術館のエリアへ。ここにも面白彫刻が沢山あり、楽しい写真が撮り放題でした。

 

 巨人のにぎりこぶしに潰されそうになったり

 

 巨大なウサギに抱擁されたり

 

 巨大なクマにお姫様抱っこをせがんだり。

 

 玉座で偉そうにしてみたり

 

 ドラゴンの口をこじ開けてみたり

 

 以上、氷瀑まつりでは厳しい寒さの中でも寒冷地でしか体験できないような貴重な体験が沢山出来て、とても楽しかったです。

 

#2.5 岩盤浴と温泉

 氷瀑祭りを回っている間、私は申し訳程度に裏地がついたコートと現地調達の薄手の手袋という層雲峡の寒さを舐めた格好をしていたので、血液も凍ったんじゃないかと言うくらい身体が冷え切りました。

 朝陽リゾートホテルさんでは課金して岩盤浴を予約していたため、岩盤浴でじっくり温まろうと思いました。

 60分コースで予約したのですが、最初は30分でも良かったかなあと思いながら入浴。結果、芯まで冷え切った身体は30分経ったくらいでようやく気持ちよく汗が出てきたかなという調子で、60分で十分に体が温まり、なんなら足りないくらいでした。

 岩盤浴の後は温泉で更に温まりました。温泉は源泉かけ流しで湯の花が見られます。香りは仄かに硫黄の香りがしました。露天風呂は切り立った山に面しており、雪景色を楽しみながら入ることができます。

 露天風呂に入る前は、服を着ていてもあれだけ震えたのだから湯船にたどり着く前に凍えてしまうのではないかと思っていました。

 やはり、外に出た瞬間は刺すような冷気に震え、半ば飛び込むようにして小走りで湯舟に向かいました。

 しかし、ゆっくりと湯船に浸かり室内に戻る時はなんということでしょう。身体が芯まで温まっているため寒さは全く感じず、無敵感に満ち溢れていました。とても気持ちがよかったです。

 

#3 ビジターセンター

 二日目は層雲峡の温泉街を回りました。とは言っても二月はオフシーズンのようで人の気配はなく、おみやげ物屋さんや足湯も休業中のようです。

 

 雪に覆われた足湯

 

 静かな温泉街

 

 温泉街の坂を上った先にあるビジターセンターが開館していたため、そちらにお邪魔しました。

 

 センター内には大雪山国立公園に生息する動物たちの剥製と共に、大雪山国立公園に関する自然の情報が沢山ありました。

 入ってすぐの場所に置かれているフィールドノートのバックナンバーは、年間を通しての大雪山国立公園の自然の様子が発信されており、他の季節に訪れるとどのような様子なのかということが詳しくわかり、興味深く読みました。

 このフィールドノートに綴じられていたビジターセンターだよりはビジターセンターのサイトでも見ることができ、いつでも層雲峡の自然の様子を知ることができるとのことなのでこれから覗いていきたいなと思いました。リンクを貼っておくので皆さんもぜひ見てみてください。

 

sounkyovc.net

 

 面白かった展示は登山ガイドのコーナーにあったオニグルミの見分け方です。

 発芽のために自然に割れたもの、エゾリスが齧ったもの、熊の糞から出たもの、エゾモモンガ(ネズミだったかもしれない……)が齧ったもののそれぞれの種類のオニグルミの実物が展示されており、見比べることが出来ました。

 食べる動物によって全く異なる形で残ったオニグルミの殻の実物を見ることで、確かにそこで生活している動物たちの息遣いを間近に感じました。また、自然に割れたオニグルミの断面の美しさにも驚かされました。

 同じく登山コーナーに展示されていた様々な雪氷現象の写真も印象的でした。初めて知る現象が多く、北海道出身で雪には慣れ親しんでいるはずなのにまだ知らないことが沢山あるんだなと思いました。

 紹介されている中で、特に好きになったのは「雪まくり」です。上記リンクのサイトでも見れるのですが、雪なのに一枚の平らな布を巻いたような見た目になるのは私の全く知らない雪の姿でした。本当に限られた条件下で人間では作れない、自然だけが作れる形状なんだなと自然の神秘を感じました。写真を見た印象だと、渦巻きの面がお菓子のように柔らかそうで可愛く感じました。雪のロールケーキと言われているのも納得です。

 

 また、もう一つ印象に残っているのは広大なお花畑のコーナーです。氷河期時代まで遡って大雪山国立公園に生息しているナキウサギと高山蝶がどこから来たのか紹介されていました。

 彼らはそのルーツから「氷河期の生き証人」と言われているそうで、その説明に地球規模の自然の歴史を感じ、胸に熱いものを覚えました。

 

 奥のレクチャー室では、VRを使った層雲峡周辺の自然や四季の魅力についてのモニター展示が行われていました。

 何気なくとある山について(名前は憶えていません、、、ごめんなさい、、、)の映像を再生したのですが、これが非常に面白かったです。

 男性と女性が登山をする様子が映され、見ている私たちは自由に画面を動かして道中の景色を見ることができるというものです。

 男性は山に詳しい方で、登山道を進みながら女性に色々と山の登り方や自然について解説をしてくれます。映像のおかげで私たちも一緒に登山をしているような気持になるため、男性の説明に「へえ~」と思いながら楽しく見させていただきました。

 特に印象に残ったのは沼ノ平の映像です。私は全く山について明るくないので、山はずっと木が生い茂っていて急な道ばかりなのだという印象がありました。そのため、沼ノ平の映像を見たときは「えっ、今山登ってたよね??」と理解が追いつきませんでした。

 私は全くのインドアでアウトドアの趣味は一切ないのですが、沼ノ平や登頂の景色の映像を見ている内にこんな綺麗な景色が見れるならいつか山に登ってみたいなと思いました。そして、もし山に登るなら映像の男性のように詳しい人も一緒に登ってほしいなと思いました。

 

 写真を全然撮っておらず、文字ばかりになりましたが以上がビジターセンターでの話でした。

 

#4 銀河の滝

 楽しかった旅行もあっという間に終盤、最後に訪れたのは銀河の滝です。

 ビジターセンターのお姉さんに伺ったところ、銀河の滝までは層雲峡の温泉街から車で三分ほどで行けて無料の駐車場もあるとのことだったので、最後は銀河の滝でこの旅行を締めくくることになりました。

 温泉街を抜けるとすぐに銀河の滝の駐車場の道路標識が見えてきます。ただ、駐車場は一方通行のため手前が出口で奥が入り口となっています。

 道路の両端に雪が積もっていて入り口が見えづらかったこともあり、上手く入り口のところで曲がれずにそのまま先にある銀河トンネルに入ってしまいました。

 トンネルを出たらすぐに引き返そうと思ったのですが、このトンネルが長く、中々出ることが出来ない……。調べたところ、銀河トンネルは全長3,388mで国道39号・273号にあるトンネルの中では最長なのだそうです。

 

 トンネルを出た先で無事引き返すことが出き、銀河の滝へ向かいます。2月という季節もあってか観光客は私たちだけでした。

 パンフレットより、銀河の滝は「120mの断崖からきらきらと銀の糸を引いて流れる優雅な滝」とのことでしたが

 

 見事に凍っています。

 

 更にアップで。

 

 大きな滝なのですが、水が流れている気配はありません。ここだけ時が止まっているようです。これぞ氷瀑

 こんなに大きな滝が凍るのは徐々になのか短い時間なのか、解ける時はどこから解けて行くのか、どのくらいでまた元の流れに戻るのか……。

 何より散々実感している層雲峡の冬の厳しさをまたまた実感しました。

 パンフレットの説明から、水が流れているときの滝の様子も美しいに違いないので水が流れている様子も見てみたいと思いました。

 

 銀河の滝の隣には不動岩という大きな岩を挟んで流星の滝という名前の滝があるのですが、こちらも凍ってはいるものの水の流れが見られました。

 

 

 拙いカメラワークですが動画もあります。

youtube.com

 

 お隣の滝なのにこちらは完全に凍っていないのも不思議だなと思いました。

 動画の音声からもわかる通りとにかく冷たい風が常に吹いており、写真を撮るために素手でいると手の感覚がなくなってきたのでこの辺で車に駆け戻り、帰路につくことにしました。

 

 最後に、銀河の滝とツーショットを撮りました。

 この雄大な自然の前ではどんなに手足を広げても人間などちっぽけな存在です。

 この先の人生で何か落ち込むことがあっても自然単位で見れば些細な事と思うと立ち直れそうな気がしてきます。 

 

#5 層雲峡周辺で立ち寄った場所

 最後に層雲峡の周辺で立ち寄った場所について書いておきたいと思います。

 

(1)協和の里のもち工房愛ふくふく

 

 愛別町にある、おもち屋さんです。知人のHさんからおすすめされ立ち寄りました。

 あんもちや切り餅などの様々な種類のお餅が売られていて、もち米からあんこまで材料は全てここで作られたものです。

 

 ビーツ、かぼちゃ、よもぎ、写真にはありませんが玄米のあんもちを購入しました。

 

 どのあんもちも美味しかったですが、玄米のあんもちは餅部分に玄米の粒感が残っており、通常のお餅とは少し違う食感になっていました。他のあんもちの餅部分も、厚みのある餅でもちもちした食感でありながらもくっつきにくく、自然な甘みのある拘りの感じられる餅で非常に美味しかったです。

 餡は共通して甘さより塩気を感じるものになっており、餡子の甘さがあまり得意ではない私にとっては今まで食べた中で一番美味しい餡子に感じました。 

 かぼちゃのあんもちは餡がかぼちゃで作られており、程よい塩分の餡にカボチャの甘味がプラスされてあんもちの風味とカボチャの風味の両方が楽しめました。教えていただいたHさんには感謝しかないです。

 

(2)愛山渓ドライブイン

 

 上川郡上川町のラーメン屋さんです。名物は愛別町のジャンボ舞茸が入った舞茸ラーメンということで早速注文しました。

 

 味は塩ラーメンです。肉厚で大きな舞茸が沢山入っています。

 

 塩ラーメンというとあっさりとした印象があったのですが、こちらの塩ラーメンはスープが濃厚でオイル由来のようなコクも感じ、確実に塩ラーメンの革命が起きました。

 大きくて食べ応えのある舞茸はスープとの相性が非常に良く、味がよく染みこんで舞茸の旨味とスープの旨味を存分に感じることが出来ました。

 舞茸に関しても今まで醤油やかつお出汁で味をつけるというイメージがありましたが、こういった味もいけるのかとこれまた舞茸の革命がおきました。

 麺は細くて柔らかめのなのですが程よい食感で食べやすくてスープによく絡み、もはや麺がスープなのではないかというほどのスープの美味しさが最大限に乗っていました。

 食べ終わった後もしばらくは舞茸の食感や麺を啜るときの感覚、スープの旨味を思い出しては幸せな気持ちになるという余韻まで大満足の味わいでした。

 

 以上、層雲峡周辺の立ち寄った場所でした。これで、今回の旅行の思い出話は以上になります。

 

 今回の旅行は、厳しい寒さの土地だからこその体験や新しい気づき、自分の知らなかった自然の姿や人生観についてまでも考えさせられる貴重な時間が過ごせた旅行でした。その土地でしか食べられない美味しいものも沢山食べられ、北海道の魅力を沢山知ることができました。

 これからも、旅行に出かけたときはこうして自分が見た物や感じたことについて書き残せていければいいなと思います。

 それでは長文・乱文でしたがここまで閲覧いただきありがとうございました。それではまた!

わたし文芸部でした

今週のお題「わたし○○部でした」

 

 私は高校生の時、生物部と文芸部を兼部していました。理系だか文系なんだかわかりませんね。せっかくなので、今回は私の青春ともいえる文芸部について紹介したいと思います。

 

 「文芸部って何するの?手芸とか?」

 これは私が現役文芸部だった時代に、自分の部活名を言うとよく言われた言葉です。確かに、文芸部ってあまり聞いたことがない部活名だと思います。

 文芸部とはその名の通り文芸作品を創作する部活です。小説、詩、短歌、俳句、エッセイ、文芸であればジャンルは問いません。

 私の所属していた文芸部では主に年に三回の部誌を作ることを目的とし、不定期に活動をしていました。部誌とは、部員たちの作品を一つの雑誌にまとめたものです。出来上がった部誌は校内の目につきやすい場所に積まれ、誰でも自由に持っていくことができるシステムになっていました。

 主な部誌づくりの流れは

 ①プロット・企画会議

 ②各々締め切りまでに作品を執筆

 ③一次合評

 ④更に執筆

 ⑤二次合評

 ⑥製本

 という流れです。この合間に毎回恒例の座談会や企画の収録を行います。それぞれの行程について、思い出を語りつつ紹介していきたいと思います。

 

①プロット会議

 まずプロット会議ですが、これは作品のタイトル、あらすじ、設定、助けてほしいことなどを記入する紙に各々の創作の構想を書き出して持ち寄ります。そして、一人ずつプロットを見て行って、部員たちがコメントをします。

 特にマイナスな感想が出ることはなく、みんな「すごい!面白そう!」とか「こういう設定があったら面白いよね」などその作品に対する期待を語ります。

 また「助けてほしいこと」の欄には主に「この情報が欲しいけどどう調べたらいいのかわからない」ですとか「こういう作品は初めてなのでどう書いたらいいか不安」といったことが書かれます。そういった声に対しては、部員たちがそれぞれの読書体験をいかして「こういう本があるよ!」とか「こういう作家さんが似たものを書いているから参考にするといいんじゃない?」などのアドバイスをしてくれました。

 プロットはしっかり登場人物の設定や話の流れを書く部員もいればこういうジャンルが書きたい程度にふんわり書く部員など様々な部員がいました。

 私はどちらかといえば、こういうの書きたいな~とふんわりしたことだけ記入した余白だらけのプロットを提出するタイプでした。他の部員たちもコメントに苦労したと思います。

 自分はほぼコメントに困るようなプロットを提出しておきながら、私は他の部員たちのプロットを見るのをいつも楽しみにしていました。

 文芸部のメンバーは皆個性あふれる創作魂の持ち主で、毎回私には思いもつかないようなシナリオを持ってきます。私はプロット会議の度にみんな次はこういうのを書くんだ、楽しみだなとさながら好きな作家の新作を待つようにわくわくした気持ちで他の部員の最新作が読めるのを楽しみにしていました。

 

②各々で作品を執筆 

 プロット会議が終わると、第一次締め切りまでそれぞれ執筆作業を行います。基本的にはプロットでこの話を出したからその通りに書かなければいけないということはありません。作品の提出も強制ではないので、どうしても何も思い浮かばなければ部誌に作品を掲載しなくても問題ありません。

 しかし、何も掲載しないというのは文芸部部員としてプライドが許さぬもの。授業を聞くのに飽きた時間や帰り道を歩きながら等、隙間時間に必死で構想を練り、ある程度執筆出来るまで固まったら学業の合間を縫って執筆にいそしみます。時には、筆が乗り、次の日も学校があるというのに深夜2時を回ってもパソコンに向かい続けるということもありました。

 執筆は自分との孤独な闘いです。最初の数行のみしか書けず、一次締め切りを迎えることもありました。しかし、それでも問題ありません。困ったときは文芸部の仲間が助けてくれるのです。

 

③一次合評

 締め切りまでに顧問の先生に作品を提出したら次は一次合評です。顧問の先生が人数分印刷してくれた部員たちの小説をそれぞれ読み、感想を言い合います。締め切りに間に合わず、自分で小説を印刷してくる部員もいました。

 主な流れは1作品ごとに全体の感想を部員が一人ずつ言った後、1ページずつ作品を見て行って、細かい感想や指摘をするというものです。

 入部した当初は自分の作品がこんな丁寧に読まれるなんて……、と恥ずかしい気持ちがありましたが、後にこの合評の時間が文芸部の活動で最も楽しい時間になりました。

 自分の作品を読んでもらい、他の人がどう感じたのか生の声を聞くことが出来るのです。ここの表現がいいね、この設定がいいね、ここはちょっとわかりづらいかも、等自分が自身を持って書いた箇所を褒めてもらえたり、自分では気づけなかった作品の欠点や誤字等に気づいてもらうことが出来ます。こんな貴重な経験は中々ないでしょう。

 自分が読者側として、他の人の作品を読んで「良い!」と思ったことを直接作者に伝えられたり、作者の口から直接書かれていない裏設定を知ることが出来たりするのも魅力の一つでした。時には「この登場人物すごくいいね!こういう動かし方もできるんじゃない?」「この世界観いいね!こういうことが起こりそう!」など作者より読者同士が作品の設定や登場人物について熱く語ることもありました。

 もし、数行しか書いてない作品の場合でも部員たちが協力してくれます。「こういう話にしたいけど展開が思いつかない」などの相談についてみんなで考え、「こういう展開にできそうだよね」「こういう登場人物がいたらいいよね」と創作のヒントになるアドバイスを出し合いました。

 作品は個人個人で作るものですがこういった活動の内容から、文芸部で作った作品は私だけでなく部員のみんなで作り上げたものだと思っています。

 

④更に執筆

 一次合評を踏まえ、完成に向けて更にそれぞれの作品を執筆します。一次締め切りまでには何も思いつかなかったとしても、一次合評で部員たちから意見をもらったことでアイディアが突如として降りてくることもあります。もし降りてこなくても、この期間にある程度書き上げないとどんどん苦しくなっていくので、駄文でもなんとかアイディアを絞りだして物語を書き出します。

 

⑤二次合評

 流れは一次合評と同じです。一次合評では思うようにアイディアが降りてこなくても、この段階でほぼ完成に近い状態で作品を提出する部員もいます。中には、一次合評からガラッと内容を変えたものを提出する部員もいます。より良い作品の完成に向けて、更に濃い意見の交流が行われます。

 

⑥製本

 間に企画や座談会の収録もあるのですが後ほど紹介するとして、最後の締め切りを迎えると今度は顧問の先生ではなく、それぞれのコーナーの担当者に原稿を送ります。

 原稿が送られてきた担当者は、タイトルをつけたり体裁を整えたりなどして原稿をまとめ、編集長を担当している部員に送ります。編集長はページ数や奥付、表紙などを作り、最終的に部誌の形にまとめます。出来上がったものを部員みんなでチェックし、問題がなければ製本作業に移ります。

 製本作業は肉体労働です。私たちの部誌は全て手作業でページを重ね「和綴じ」という伝統的な本の綴じ方で部誌を作ります。表紙と裏表紙も紙屋さんに自分たちで買いに行き、選ぶというこだわりの部誌です。

 机を並べ、その上に部員たちの力作が印刷された紙の束をページ順に置きます。そして部員みんなで机のまわりをぐるぐる回って紙をページ順にまとめていきます。

 ある程度まで紙の束が作れたら落丁がないかの確認をします。無事検査を通過できたら、次は糸で綴じるための穴をあけます。これもドリルパンチを使い、手作業で行っていきます。

 ページ数が多いときは大変です。紙がずれないように注意しながらぐりぐりぐりと力を込めてハンドルを回していきます。 時には二回に分けて穴を空けることもありました。

 穴が空いたらいよいよ最後の段階です。苦労して空けた穴に糸を通し、和綴じにします。部誌の保存状態に関わる大事な作業です。緩んでページがずれてしまったり、結び目がほどけて部誌がばらばらになってしまわないようにきつめに部誌を編んでいきます。

 この作業も何日もかかることがあります。時には休日も登校してページを合わせる作業を行うこともありました。大変な作業でしたが、基本的には自由な空間なので部員たちとお喋りをしながら机のまわりをぐるぐる回るのも楽しいひとときでした。

 そうして完成した、部員の力作が勢ぞろいの部誌は階段の踊り場や各階のホールに置かれ、生徒や教師、来賓の方々に自由に手にとってもらいます。読んでくれた友人から「あなたの作品面白かったよ!」と言ってもらったときは心の中でガッツポーズをしました。

 

 以上が文芸部の活動の主な流れになります。最後に、後ほど紹介すると記述していた部誌の企画と座談会について紹介します。

 

 部誌では、毎回企画ページと座談会が収録されることになっています。

 どんな企画を行うかはその時の会議で決まります。部員それぞれが執筆し、通常の作品のように合評も行う2ページ小説やテーマエッセイ。座談会形式で収録される大喜利、句会や歌会、ビブリオバトル。実際に部員皆で遠出をし、見た物や感じたことをそれぞれ綴る文芸散歩など様々な企画が行われました。

 特に私が好きだった企画は2ページ小説です。これは、毎回夏の部誌で必ず行われる企画でした。毎年テーマを決めて、そのテーマにそって2ページで小説を書くのです。 

 2ページという制限の中、どう起承転結をつけてどうテーマを取り入れるのか。構想を長編小説を書くのとは違う新鮮な感覚で練っていました。自分はこのテーマからこういう話を思いついたけど他の部員はどんな話を書いたのかな?と他の部員の作品を読むのも楽しかったです。

 座談会は毎回、部誌の最後に収録される企画でした。こちらも毎回テーマを決めて、みんなでそれについて語り合い、その会話を録音して文字に起こします。

 これは実際に会話を聞いているようで読んでくれている方も楽しいと思います。また部誌に収録されている作品を書いた部員たちがどんな人たちなのか知ることができ、親近感が湧くという点でも、とても良い企画ページだと思っています。

 実際、私も入学前に学校見学で後の母校を訪れ、部誌を持って帰ったことがあります。そして先輩方の小説はもちろん、座談会のページを読んでこんな人たちがこの学校の文芸部にいるんだ!楽しそう!私も入りたい!と文芸部への期待に胸を躍らせた経験があります。

 部員側としても座談会は良い思い出になります。今でこそ、思い出は動画で残すのが主流になっていますが、当時はそこまで動画が普及していませんでした。(動画で思い出を残している人たちもいたかもしれませんが、私たちはそういうタイプではありませんでした。)

 毎日忙しない日々を過ごし時を重ねていく中で、学生時代の友人との会話でしっかりと覚えられているものはいくらもないと思います。しかし、何年経っても座談会のページを開けば当時の思い出が鮮やかに蘇ります。

 どんなにその時のことを忘れていても、思い出の動画を見るように、ああこんな会話したなあ、こんなことしてたなあと当時の仲間たちの声や表情、身振りを色濃く思い出すことができるのです。そのような点でも、いい経験をしていたなあと思います。

 

 以上が私が学生時代に所属していた文芸部の話になります。創作意欲を持つ者同士が集まり、活発に意見を交わし合い、互いに切磋琢磨し合った時間は私の青春そのものでした。そんな素晴らしい高校生活を送れたことに、かつての仲間たちには感謝しかありません。

 他にも各地域の学校の文芸部が集まる大会や、この文芸部での経験を踏まえて大学でも文芸に関わる活動を行った話もしたかったのですが、思ったより長くなってしまったので、またいつかの機会に書くことにします。ここまでお読みいただきありがとうございました。

おうちに帰るまでが旅行です!さよならヨーロッパ(シャルル・ド・ゴール空港~エティハド空港~日本)~海外初心者の女子大生二人でヨーロッパ旅行に行った話#21~

 こんにちは!お久しぶりです!大学は卒業しましたが社会人になるギリギリ前になんとか投稿できました!

 2019年の10月からずっと投稿してきたこの旅行のブログも遂に今回が最終回です。長かったなぁ~。もう少し早く完結させるはずが予想外に時間がかかってしまいました。

 それでは、当時を思い出しつつ旅の思い出話を締めくくろうと思います。

 

シャルル・ド・ゴール空港の話

 楽しかった旅行はあっという間に時間が過ぎ、いよいよヨーロッパを発つ日です。

 集合時間は朝の6:00。まだ夜は明けておらず真っ暗です。専用のバスに乗り、空港へ出発します。

 空港までは結構遠かったです。8:00くらいでしょうか、朝日が昇る頃に到着しました。

 飛行機の出発時間は10:30。搭乗手続きを済ませてもまだまだ余裕があります。ユーロは使い切ってこいと母に言われていたため、空港内のお土産屋さんを見て回ります。

 添乗員さんが、「お土産は空港より各地で買った方が良い」と言っていた意味がわかります。確かに、空港のお土産物屋さんはその土地の特産物やフランスならではのものというより当たり障りのないお菓子や雑貨が売っている感じです。(それでも外国製ではあるので十分お土産にはなるのですが)

 日本の空港のお土産ショップも、王道のものは置いてあるけど各地のニッチなお土産はその土地でしか買えないというのと同じですね。

 

 さて、色々お店を見て回り、結局友人へのお土産に銀色のシンプルなアトマイザーと自分用にちょっとお高めのマカロンを買いました。20ユーロくらい残っていましたがめでたく大きいお金は使い切りです。

 

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 お買い上げしたマカロンミスドのように自分の好きな味を選んで詰めてもらいます。見た目も可愛く中身もフレーバーの味がしっかりして美味しかったです。

 

 お買い物も済ませ、いよいよヨーロッパとさよならです。フライトの時間になり、飛行機に乗り込みます。アブダビの空港まで約七時間の空の旅です。

 

機内の話

 飲みもののサービスの希望をきくためにキャビンアテンダントさんが回ってきました。行きの飛行機では「うぉーたー」と言ったところ、一回では通じませんでした。この日本語英語ではいけないという学びを活かし、「ウォーラープリーズ」と言います。ドヤ顔です。

 しかし、出てきたのは茶色の飲み物でした。おや?どう見ても水ではありません。恐る恐る飲んでみます。口の中で炭酸が弾け、人工的な甘さが広がります。

 コーラでした。

 どうやら「うぉーらー」は「コーラ」と聞き間違えられたようです。私はコーラは苦手なのでAちゃんのオレンジジュースと交換してもらいます。申し訳ない……。

「ええ、コーラじゃなかったの?」とAちゃん。コーラと聞き違えられても仕方ない発音だったようです。英語は難しい……。

 

アブダビ空港の話

 映画を見たり(日本語版がないので英語で見るしかなく、理解できない英語を必死に理解しようとするので頭がとても疲れる)テトリスをしたりしてフライト時間を過ごし、アブダビのエティハド空港に着きました。飛行機の中は時間の感覚がないのですが、実際は七時間も座りっぱなしで暇つぶしに画面を見続けていたので身体的にも精神的にもへとへとです。

 エティハド空港から日本行の飛行機が出るまでは二時間半もあるので空港の中をじっくり見て回れます。アブダビの通貨はグラハムなのですが、空港内を移動中、MAちゃんやMKちゃんと一緒にお土産物屋に並ぶラクダのぬいぐるみを見るたびに「何アブダビ?何アブダビ?」とふざけていました。

 

 集合場所の確認をし、自由時間。アブダビアラブ首長国連邦の首都でバリバリアラビアなのですが、生憎アブダビを通るのは行きも帰りも夜のため、窓の景色は真っ暗でアラビアを感じることはできません。

 しかし、空港にはアラブの民族衣装を着たおじさんたちが沢山。あの体をすっぽり覆う白装束です。

 インドのターバンのようなものを巻いているおじさんたちもいました。頭から長い布を被って黒い輪っかをつけるやつではなく、頭の上で三角のように巻くやつです。

 外の景色は見れませんが人々の服装からしっかりアラビアを感じ取れました。

 

 お土産物屋さんに並ぶものもしっかりアラビアです。沢山の種類のラクダのぬいぐるみとランプの置物が並んでいます。どれも物珍しく、心を惹かれます。ちなみにアラビアの民族衣装も売っていました。頭につけるターバン単品も!日本なら着物やかんざしが売られている感じでしょうか。

 空港の中はブースがあるしっかりしたお土産店もあればおじさんが一人で店番をしている屋台のようなお店もあります。

 屋台のようなお店は個人の店なのか、ランプの置物もラクダのぬいぐるみも種類が豊富で個性的です。じっくり見たかったのですが店番のおじさんがじっとこちらを見てきます。盗難防止でしょうか、ウィンドウショッピングは歓迎されていないようです。

 物欲ははたらいているのですが、通貨がありません。ここでもクレジットカードを使えない弊害が。

 手持ちのお金もほとんどないし、わざわざ換金するのもなあとお土産を買うのは諦めます。(ちなみに同じツアーのおじいさんはラクダのぬいぐるみを買っていました。換金したのでしょうか)

 

 お土産は買えませんでしたが代わりにラクダの前で大学生四人で写真を撮ってもらいました。最後にアラビアっぽい良い写真が撮れて満足です。

 

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 ラクダとパチリ。

 

 物珍しいものを見てはしゃげば時間はあっという間です。搭乗受付の時間になり、空港ロビーへ。

 飛行機に乗り込む前に、肉製品は日本に持ち込めないので二日前に買って残っていないと生ハムをAちゃんと食べます。食中毒起こさないかな……大丈夫かな……といいながら量が多いのでMAちゃんとMKちゃんにもあげます。そんな怪しいものの引き換えにリンドールのトリュフチョコレート(ピスタチオ味)をいただいてしまいます。

 ちなみに食中毒には特になりませんでした。

 

エティハド空港~日本へ

 飛行機に乗り込むとリフレッシュペーパーをもらいました。ハッカの良い匂いがします。

 東京までかかる時間は約10時間。消化試合です。

 飛行機の中で特筆すべきことは特にないのですが、全く眠れずずっとゲームをしていました。テトリスをずっとしていたのですがそのうちテトリスに飽き、2048や別のパズルゲームをします。

 全く寝れなかったのでフランスの時のフライト時間も併せて17時間くらい起きていたことになりますね。その日は現地時間で5:00くらいから起きていので22時間くらいでしょうか。ギンギンですね。

 

 さて、そんな長かったフライトの旅も終わりついに日本へ。

 懐かしの日本の空気、懐かしの日本人です。離れていたのはたった一週間だったのに妙に懐かしく感じます。

 帰って来たんだなあとヨーロッパの余韻に浸りながら荷物を受け取り、添乗員さんに挨拶&色々と話してくれた話のブログへの掲載許可をいただきます。

 

 ゲートを出て、いよいよ日常に戻ります。Aちゃんと別れ、新幹線へ。

 なんだかヨーロッパに行ったのが夢のように思えます。

 たくさんの貴重な経験が出来ました。大学生の内にこのような旅行が出来たのは本当に良かったと思います。誘ってくれたAちゃん、お金を出してくれた母には本当に感謝です。

 見慣れた街に帰り、見慣れた部屋でお土産を広げると少し不思議な気持ちになります。楽しかったなあという充実感と終わってしまったなあという物寂しさ。

 この楽しかった思い出を忘れてはいけないと書き始めたのがこのブログでした。結果、ここまで時間がかかってしまい、忘れてしまったこともあると思いますがなんとか旅行の様子をまとめることができました。

 最後はヨーロッパから持ち帰ってきた目に見える思い出の品の写真を載せてこのブログを終わりにしようと思います。

 

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 機内食であまったパンとコルマールで買ったジンジャーブレッドマン。旅の余韻に浸りながらいただきます。

 

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 ヨーロッパのお土産たち。いつでも思い出がよみがえります。

 

 これにて、このブログも完結です。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 今は海外旅行には気軽に行けない情勢ですが、社会が落ち着きまた海外旅行に行くことが出来たらどこかでブログに書きたいと思います。

 その時がまた来ることを願って、それではまた!

フランス最後の晩餐!予定が狂いっぱなしのギャラリー・ラファイエット(パリ編⑥)~海外初心者の女子大生二人でヨーロッパ旅行に行った話#20~

 こんにちは!あまり日付を置かずに投稿できました!

 

 今回で長かったドイツ・フランス観光もいよいよ最後!フランス最後の晩餐の話をしていきたいと思います。

 

ギャラリーラファイエットの話

 夕方のパリは人口密度がえぐいです。人の波にもまれながら、朝早くから動き回り体力を使い果たした私とAちゃんはほとんどぐったりしながら徒歩圏内にある老舗デパート、ギャラリー・ラファイエットへ向かいます。

 

 ギャラリー・ラファイエットはヨーロッパ最大級の面積を誇るデパートなだけあってとても広いです。メゾン&グルメ館、紳士館、本館とあり、私とAちゃんがまず入ったのはおそらくメゾン&グルメ館です。

 周りは高級そうなお菓子の店が並んでおり、イートインのようなスペースがついているお店もありますが、腰を落ち着けてゆっくりご飯を食べれるような雰囲気ではありません。

 エレベーターで地下一階に下がってみましたが食品は売っていてもレストランのような店はありません。

 もう一度一階に戻り、エレベーター横の地図とガイドブックを確認。どうやら自分たちがいるのは分館であり、フードコートがあるという本館は別の建物だと気づきます。

 疲れでふらふらしながらメゾン&グルメ館を出て本館に向かう私とAちゃん。目指すはギャラリー・ラファイエット本館の六階、フードコートです。

 

 無事、本館の六階に着きましたが、おや……?やけに閑散としています。

 まだ営業時間のはずですが、フードコートらしきものが見当たりません。それらしきスペースはあるのですが、机も椅子も片付けられています。

 この日は土曜日で次の日が日曜日のため早めに閉まってしまったのでしょうか。疲れている上にご飯のあてもなくなり落胆します。

 

 レストラン階とガイドブックに書いてある割に周りはお菓子屋さんばっかりで飲食店のようなお店はぱっと見て一軒しかありませんでした。お店の前に置いてあるメニューを見ると刺身やお寿司や炒飯の写真が、どうやらアジア料理屋さんのようです。

 他に良さそうな飲食店もないし新しくお店を探す体力ももう残っていないので入店します。

 

アジア料理屋さんの話

  入ってみると店員さんはみんなアジア系の人たち。一人の店員さんになんと日本語で「コンバンハー」と挨拶されます。

 イントネーションから、日本人の方ではなさそうですが私たちを見て日本人とすぐにわかったのでしょうか。すごい観察眼ですね。

 

 フードコートが閉まっているだけあってこちらのお店屋さんもお客さんはまばらです。案内された席につき、Aちゃんとメニュー表を見ます。

 日本料理だけではなく中国や東南アジアの料理もあります。大好きなうどんがメニューにあったので注文しましたが、ないと言われます。(おそらく英語で)

 代わりに何を注文するか、麺類の欄を見て悩んでいるとこっちの方がおすすめですよ、みたいなことを言われたので写真とかも特に見ずあまり深いことを考えないでそれを頼みます。一体何が来るのでしょう。

 

 来たのはフォーでした。

 

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 牛肉のフォーですね。

 

 私は何故フランスでベトナム料理を食べているのか?そんな疑問を持ってはいけません。いただきますをして早速食します。

 ローストビーフはアジアはアジアでも異国のアジアの味がします。ベトナム料理らしくパクチーが中々キツイ味を出していますが美味しいです。

 

 味が濃いめなのでお水がすぐになくなってしまい、お水をもらおうと店員さんを呼んだら、なんと店員さんに「オジョウチャン!」と言われました。

 ヨーロッパに来てから店員さんに呼び掛けられるときは「ミス」や「マドモアゼル」、空港では「マダム」とも言われたのでその感覚の「オジョウチャン」なのでしょう。面白いですね。

 

この店員さん、日本語が堪能です。たどたどしい英語でお水をくださいと言ったところ、「オミズ?ハイ、オミズネ!」とお水を出してくれました。すごいです。

 なんだか、フランスで現地の人に日本語を喋ってもらえるとどこか心強い気持ちになりますね。店員さんが日本にいたことがあるのか、このお店に日本人のお客さんがよく来るのかどっちでしょう。

 

 Aちゃんの頼んだ料理にもパクチーが乗っていましたが、Aちゃんは「お嬢ちゃんだからパクチー食べれない」と言いながら残していました。

 お嬢ちゃんなので仕方ないですね、、、笑

 

 あてが外れて予定外の食事をしましたが、これはこれで日本語で接客してくれる店員さんがいて楽しかったです。良い最後の晩餐になりました。(^^)

 

余談

 晩餐の話はこれで終わりなのですが、ちらほら余談を入れていきたいと思います。

 

余談①

 食べ終わった後は同じフロアにあるお土産物屋さんを物色しました。シュタイフが売っていましたがドイツの方が安かったです。ブランド物は現地で買うのがよさそうです。

 

余談②

 帰りは地下鉄で帰りました。オペラ座の前を通りましたが夜も綺麗でした。公演は夜のイメージがあるので劇場がどこかいきいきしているように感じられました。

 

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夜のオペラ座は朝見たものとは少し雰囲気が違っています。

 

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余談③

 地下鉄に乗るとき、黄色いベスト運動をやっているので駅閉鎖してるところもあるから確認した方がいいとツアーの添乗員さんに言われたので駅員さんから券を買うついでに「キャナイユーズスリーライン?」と聞いてみました。

 すると駅の人は「???」という顔。私も「???」となります。

 Aちゃんがみかねて「メトロスリー」と言うと、通じたようです。

 コミュニケーションは難しいですね。Aちゃんありがとう。

 

 地下鉄に乗るとき、すごい勢いで後ろから若い男の子たちが複数で若干私たちにぶつかりながらすり抜けていきました。ふざけているだけなのか、ふざけている振りのスリなのか、ポケットに何か入っていたらスラれていたかもしれない……。

 そんな考えが頭をよぎります。スリが多いと聞くと誰も信じられません……。

 

余談④

 ヴェルサイユ宮殿に言った後、同じツアーにいたお姉さんたちにAちゃんが充電プラグを貸しました。

 すると夜、部屋に戻ったあとお姉さんが部屋に訪れてきてくれ、ルイ・ヴィトンの消しゴムをくれました!

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 ルイ・ヴィトンに消しゴムなんて売ってるんだ……。

 なんと、特になにもしていない私の分まで……。ありがとうございました……ひぇぇ……。

(追記:この消しゴム、パリのルイ・ヴィトンの美術館でしか買えず、世界一高い消しゴムらしい。日本の通販でも売っているけどそれなりの値段がするそうな。ひぇぇ……、大変なものをもらってしまった、、、)

 

 

 そんな感じで、体力が持っていかれつつも貴重な経験のできたフランス最後の夜でした。

 

 さて、次回は名残惜しいですが遂に日本へ帰国してしまいます。

 長いようであっという間の旅行でした。次でヨーロッパ旅行の記事は最後となりますのでこちらも名残惜しいですが何とか在学中に完結したいと思います。

 

 それではまた!

ベルばらとフランス革命を感じよう、ヴェルサイユ宮殿(パリ編(?)⑤)~海外初心者の女子大生二人でヨーロッパ旅行に行った話#19~

  こんにちは!とてもお久しぶりです。

 卒論でドタバタしていて結局更新が四か月も遅れてしまいました。

 さすがに大学生が終わるまでには完結させたい!ということで卒論も無事提出でき、一息つけたので更新していこうと思います。

 

 ついに!ずっと訪れたいと思っていた憧れのヴェルサイユ編です!!

 

出発の話

 今回、オプショナルツアーということでドイツ・フランスのツアーを申し込んだ旅行会社を通して別の観光会社のツアーを利用しました。

 集合場所はオルセー美術館から程近い観光会社の支店。日本の会社なので日本人のスタッフさんが案内・解説してくれます。

 オルセー美術館から走った甲斐もあり、無事集合時間に間に合い、一息。支店内の椅子に座りわくわくしながら出発を待ちます。 

 支店内の奥にはお手洗いがあるのですが、待っている時にお手洗いから出てきたお兄さんが何やら焦り、支店内がざわざわ。

 どうやら、トイレの中に財布か何かを忘れてきてしまったらしい……。

 日本人ばかりのツアーですし、コミュニケーションも図れお兄さんは無事に忘れてきたものを回収できた模様。その様子にローテンブルクの中世犯罪博物館のお手洗いでポケットに携帯電話が入っているのに忘れたと勘違いして、私の後にお手洗いに入ろうとしたお姉さんの後に続いて個室に入ろうとする不審者日本人になったことを思い出します。

 Aちゃんも同じことを思い出したのか「みんな忘れるものなんだね」と囁きます

 

 さて、出発時間になりいよいよバスに乗り込みます。わっくわくが止まりません。

 バスの中ではツアーの添乗員さんがヴェルサイユ宮殿にまつわるフランス王朝の話を聞かせてくれます。

 それによると、ルーヴル美術館は元々歴代フランス王の王宮として使用されていた宮殿だったのですが、それをヴェルサイユに移したのはルイ14世だそうです。

 ルイ14世は思春期を貴族たちが宮殿に攻めてくるフロンドの乱の中で過ごしました。そのため、パリは危険だという思想が生まれ、ヴェルサイユに宮殿を移したのだとか。

 10代の時にたくさんの人たちから敵意を向けられ、居住の安全を脅かされる経験をすればそれはトラウマものになりますよね。でもヴェルサイユに宮殿を移しても結局フランス革命ではパリの市民たちがヴェルサイユまで行進し宮殿に乗り込んできたので反乱が起こってしまえば場所は関係ないのかなあと思います。

 

 ヴェルサイユ宮殿に向かう途中、モネも絵のモデルにしたという風景が見れるセーヌ川にかかる橋を通りました。あいにくモネが絵にしたという風景は座っている場所と反対の窓から見えるため、話を聞くだけで写真を撮ることはできませんでした。残念。

 

着いた話

 そんなこんなでバスはヴェルサイユに入り、遂にヴェルサイユ宮殿に着きましたー!!!門がきんぴかぴんだあ!!!

 

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 門からとても豪華で期待が高まります……!

 

 ヴェルサイユ宮殿に入るべくガイドさんに続いてAちゃんと入り口に並びます。

 

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 チケットも印刷が豪華

 

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 外観はこんな感じですが、何か違和感がありますよね。そう、真ん中の建物だけ印刷です。

 改修中なのでしょうか。雷門が印刷された幕が下がった改修中の雷門や金閣の看板が置かれた改修中の金閣を思わせます。

 

 入口でスタッフさんにチケットを見せ、いよいよヴェルサイユ宮殿内へ!

 

シャンデリアの話

 ヴェルサイユ宮殿でまず私たちを迎えたのは広くて真っ白な階段。

 

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 そして天井から下がっているのは……なんだこれは……。

 

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 ガイドさんの説明によれば、これはシャンデリアだそうです。スワロフスキービーズが400万個も使われているらしいです。

 当時の人からしても最先端のデザインで、古いものに囚われず新しいものを取り入れていく姿勢が芸術性の発展に繋がっていったのだそうな。

 2000年代を生きる私たちにとっても新しすぎるデザインですよね!

 

  ガイドさんについて中を進みますがとにかく人の数がやばいです。ヴェルサイユ宮殿はスリが多く発生する場所と聞いていたのでカバンを抱きかかえます。どうか何も盗られずに生きて帰れますように、、、。

 

肖像画の話

 中を進むと、教科書で見たことのあるルイ14世肖像画が!

 

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 このときルイ14世は60歳を越えていたのですが足がとてもシュッと引き締まっています。なんでもバレエをやっていたからだとか。健康体ですね。

 

 向かいにはルイ16世肖像画。ぽっちゃりしてて優しそうですね。

 

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 こうして並べてみるとルイ14世肖像画とポーズが似ています。

 優しい王様だったのに優柔不断が革命の時祟ってしまったんですね。

 

 

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 こちらの部屋はルイ15世の部屋?です。(一年以上前なのでうろ覚えです。間違っていたらごめんなさい)

 壁の肖像画ルイ15世です。ルイ16世のおじいちゃんでベルばらにも出てきましたね。

 

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 ヴェルサイユ宮殿は天井画もとても豪華です。こちらはギリシャ神話を元にした天井画だそうです。

 

鏡の間の話

 

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 有名な鏡の間です。すごーい!ひろーい!!!

 Aちゃんと大はしゃぎ。パシャパシャ写真を撮りまくります。

 

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 鏡の間の鏡です。この鏡が奥行きを広げて明るさもサポートしているんですね。ランプの台も豪華です。

 

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 窓から見えるのは庭園。添乗員さんには「庭園は鏡の間から見るのがおすすめ」と教えてもらいました。

 

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 こちらはルイ14世レリーフ。なんと!これはベルばらの終盤でオスカルが描いてもらった肖像画の元ネタになっているそうです!!

 漫画を何度も読んだのでオスカルの肖像画はよく覚えています。確かに馬に乗ったオスカルの絵でした。元ネタがこんなところにあったとは!!大興奮です。

 

マリー・アントワネットフランス革命の話

 ヴェルサイユ宮殿ツアーは進み、フランス革命の匂いを残すマリー・アントワネットの寝室へ。

 

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 マリー・アントワネットの寝室です。女性らしい華やかで可愛らしいピンク色の部屋。左側の四角いドアのようなものはなんとルイ16世の寝室に通じる隠し扉です。

 

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 マリー・アントワネットの寝室の隠し扉のアップ。人が通れるくらいの高さがあります。

 

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 こちらはマリー・アントワネットとマリー・テレーズ、ルイ=ジョゼフ(長男)、ルイ=シャルル(次男)の三人の子供たちの肖像画。ベルばらでも三人の子供たちが出てきましたね。

 マリー・アントワネットへの反感が強まっていく中でイメージアップを図るために描かれた絵なのですが、ベルばらでも描かれた「首飾り事件」によってもう取り返しのつかないくらい民衆は彼女に怒っていたため、発表を見送ったのだそうです。

 また、右のゆりかごには本来四人目の子供ソフィーが描かれるはずだったのですが、彼女は天然痘で死去してしまいました。マリー・アントワネットはそのことをひどく悲しんだため、絵画の中の表情はどこか曇っているのだそうです。

 

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 マリー・アントワネットの寝室のカーテンです。

 

 この何グリーンというのかは忘れてしまいましたが、このカーテンのグリーンはマリー・アントワネットが一番好きだった色らしいです。

 マリー・アントワネットは寝室の隣の同じグリーンの部屋を作っています。よっぽど好きだったんですね!

 

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 エレガントなグリーンの部屋。先ほど紹介したルイ15世肖像画が飾ってあります。

 

 その隣はパリの怒れる市民が乗り込んできた部屋。段々不穏な空気になってきました。

 

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 パリの怒れる市民たちが乗り込んできた部屋

 

 この部屋は上階にありました。そこまで市民たちの侵入を許すほど王朝は弱り切っていたのですね。しかし、この当時この部屋にいた衛兵さんは騒ぎを聞きつけてマリー・アントワネットの部屋から顔をのぞかせた女官に「王妃を守れ!」と言ったそうです。

 衛兵さんはその場でパリの怒れる民衆たちに襲われ絶命してしまいましたが、そのおかげでマリー・アントワネットは先ほど紹介した隠し扉からルイ16世の寝室に逃げて殺されずに済んだそうです。

 マリー・アントワネットを守った名もなき衛兵さんに胸が熱くなります。

 寝室の隠し扉も、本来は夜にルイ16世の寝室を訪れるために作られたものなのでしょう、このような使い方をするとは本人たちも思いも寄らなかったに違いありません。

 

「ナポレオンの戴冠」の話

 フランス革命当時の光景に思いを馳せながら次の部屋へ進みます。おや……?

 

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 かの有名なダヴィッドの「ナポレオンの戴冠」がドーン!

 とても大きな絵で大迫力です。

 しかし、この絵がヴェルサイユ宮殿にあったなんて聞いたことがありません。ルーヴル美術館にあるはずです。この絵は一体なんなんでしょう?

 

 実は、この絵も本物です。

 こちらはルーヴルにある方の「ナポレオンの戴冠」を見て気に入ったアメリカの実業家が自分にも描くようダヴィッドさんに依頼して描かれたものらしいのです。初耳でした。

 同じ絵を描くにあたってダヴィッドさん、二つオリジナルとの違いをつけたそうです。

 ちょっと一つは何だったか忘れてしまったのですが(おそらく真ん中にいる人たちの誰かだったはずです)、一つはナポレオンの妹さんのドレスの色です。

 ナポレオンの妹さんは向かって左側にいる女性たちの一人です。一人だけピンクのドレスを着ている女性がいるのがわかりますか?

 ルーヴル美術館の方はみんな白いドレスですが、こちらは一人だけピンク色のドレス。個人向けの絵なのでこっそり自分の恋心を表したらしいです。

 個人向けとはいえど人から依頼された絵に自分の恋心を乗せてしまうなんてさすがフランス人です。

 

はぐれた話

 「ナポレオンの戴冠」に興奮し、部屋の隅々まであっちもこっちもぱしゃぱしゃ写真を撮ります。

 このツアーは専用のヘッドフォンで添乗員さんが話す内容が聞けるため、ざわめきの中でも説明がよく聞こえ、添乗員さんの近くにいなくても説明を聞くことができます。現代技術はすごいですね。

 離れていても添乗員さんの指示はわかるため、「次の場所へ移動します」の言葉を聞きつけ、丁度近くにあったドアから次の部屋に進みます。おや……?

 扉を抜けると人がいません。

 次の部屋にも行ってみました。ツアーの人はおろかあんなにいた観光客もまばらです。

 ヘッドフォンからは「全てのお客様が揃うまで待機しています」と添乗員さんの声。

 これは……やらかしたか……?

 焦り、元いたナポレオンの戴冠の部屋まで戻ります。今度は逆の壁を見るとあったあった。絵の横に入り口がありました。慌てて入り口を飛び出します。

 あったのは階段。はぐれている時に添乗員さんが「パリの市民がヴェルサイユ宮殿に乗り込む時に通った階段」だと説明していたのを聞いていました。

 聞いたときは「階段……?どこだ……?」なんて思いましたが、これがそうかとしみじみ浸る暇もなく駆け足で下ります。

 何回添乗員さんに「全てのお客様が揃うまで~」の台詞を言わせてしまったことでしょう。みんな階下で待っていてくれていました。これは申し訳ないです。当時居合わせた方々、ご迷惑をおかけしてしまって本当にすみませんでした。

 

バルコニーとルイ14世の娘さんたちの話

 無事ツアーの人たちと合流し、外に出るとそこにはマリー・アントワネットがパリの怒れる民衆を鎮めるためにお辞儀をしたバルコニーが!!!

 ベルばらでも描かれていましたよね!!!思い出してまたもや大興奮です。

 

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 バルコニーのアップです。ここでマリー・アントワネットがお辞儀をしたんですね~。光景が目に浮かぶようです。

 

 バルコニーの前でAちゃんと写真撮影をし、時間もそこそこなのでヴェルサイユ宮殿のお土産屋さんを目指します。

 

 途中、ルイ14世の娘さんたちの部屋があるという場所を抜けていきます。(なんという名前だったかは忘れました……、ルイ14世かも曖昧です。すみません、、、)

 急ぎ足ながらも写真はきっちり撮っていきます。

 

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 彫刻や絵画、屏風のようなものがあります。

 

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 こちらはピアノ、白い方もピアノでしょうか。なんだか神秘的なヴィジュアルですね。

 

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 サロンでしょうか、椅子が沢山あるので人が沢山集まるところのようですね。

 

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 この部屋はハープと後ろにあるのはパイプオルガンでしょうか。壁には女性の肖像画がかかっています。

 音楽のある暮らしを感じますね。どの部屋もフランス貴族を感じさせる上品さがありました。憧れますね。

 

お土産物屋さんの話

 さてさて、お楽しみのお土産物選びタイムです!

 お土産物屋さんにはヴェルサイユ宮殿にまつわるお土産物が沢山!!見てるだけでうっかり何時間も過ぎてしまいそうです。

 マリー・アントワネットがプリントされた手鏡、ブラシ、デコールのポーチやアトマイザー、マリー・アントワネットが好きだったという薔薇の香水も沢山売っていました。お茶やフランスのボードゲームも!目移りしてしまいます。

 ここが金の落としどころと自分と友達のお土産用に薔薇の香水(お金がないので小さな小瓶)、マリー・アントワネットのノート、手鏡、デコールのアトマイザーを購入。ポーチも買おうか迷ったのですがケチって断念。

 その後、やっぱり買えばよかったとしばらく後悔していたので買わない後悔より買う後悔です。ケチっても良いことはありません。

 それでも上品な小物をそろえられて気分はフランス貴族です。るんるんでお会計の列に並びます。

お会計をするとき、前にお会計をしていたおばさんたちが何やらざわざわ。

 どうやら暗証番号がなくてもクレジットカードで買い物が出来るか聞いているようでした。

 暗証番号がわからずクレジットカードを使うのをやめた自分を思い出します。やっぱりみんなクレジットカードの暗証番号は覚えてないよね!

 

ダチョウの羽根の話

 中々良い時間だったので名残惜しいですが急いでバスに戻ります。良い時間どころか集合時間に間に合うか間に合わないかの瀬戸際です。毎回走っている気がしますが、せっかく来たので時間ギリギリまで楽しみたいですよね!

 なかなかないヴェルサイユ宮殿を走るという経験を経て無事に集合場所に到着。なんとか間に合いました。

 

 帰りのバスでも添乗員さんが話をしてくれます。

 ヴェルサイユ宮殿は今も高級住宅地なのだそうです。私の好きなアニメにはヴェルサイユで生まれ育ったお嬢様のキャラクターが出てきますが、あの設定はきちんと現実に即しているのだなと感動。

 

 また、マリー・アントワネットは当時お洒落の最先端を行っていたそうです。私も「マリー・アントワネットが好きだった」という情報に釣られて香水を買ったのでそのインフルエンサー力は現代でも不滅ですね。

 

 面白かったのはベッドの上の飾りの話。

 マリー・アントワネットの寝室をはじめ、ヴェルサイユ宮殿の寝室にあったベッドには上にもふもふふわふわした飾りがついていました。

 

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 マリー・アントワネットのベッドの上にも……。

 

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 こちらのベッドにも……。

 

 これらはダチョウの羽根で出来ていて、飾りだけではなく実用的な用途もあったらしいのです。

 ダチョウの羽根は当時高級品だったとベルばらで見ました。マリー・アントワネットがファッションに取り入れて多くのフランス貴族の女性が真似をしたがったはずです。

 そんな高級品を飾りだけではなくはたきとしても使ってしまうなんて当時のフランス王族はすごいですね。とても贅沢です。

 

 そんな添乗員さんの小話と満ち足りた気持ちと共にパリへ戻ります。

 ヴェルサイユ宮殿、とても充実した観光になりました。

 

 そんなこんなで次回はいよいよフランス最後の晩餐です。

 予定ではあと二記事でこのブログも終わる予定です。次はまた近い内に更新出来たらいいなと思います。

 

 それではまた!